最近本屋さんに行くと、ほぼ必ず平積みで置いてある
分厚いグリーンの本があります。
「ティール組織」と言う本を見かけたことはありませんか?
副題は「マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現」と
なっていて、組織論がテーマの本です。
ですので通常であれば一般受けするような内容ではありません。
でも日本語版が2018年1月に発行されると、ビジネス書のみならず
一般書としても人気が高かったそうです。
かなり厚みのある本なので、見ただけでもひるんでしまいそうな本です。
でもアマゾンのビジネス・経済分野で2018年上半期のランキングで9位でした。
ちなみに8位は以前こちらでもご紹介した「ライフシフト」でした。
新しい組織論
原著は4年前に発行されたそうですが、なぜか日本での反響が
特に大きいそうです。
全国で読書会なども開かれていると聞きました。
確かに私の周辺でも読んでいる人が多かったです。
でもそれは仕事柄「組織」に関わる人が多いからだと思っていました。
でも実際にはもっとたくさんの人が読んでいるようですね。
その事実を知った時に、それだけ今の組織の在り方に限界を
感じている人が多いのかな?と感じました。
働き方改革があります。
何かあるとハラスメントで訴えられることもあります。
入ってくる新人は自分たちとはまるで別の生き物のようで、
どのように育成すればよいか分からない・・・。
このような経験から今までの価値観が大きく変わりつつあることを
感じている人が多いのではないのでしょうか?
そして「ティール組織」が出版され、これが何かを変える
きっかけになるかもしれないと感じたのかもしれません。
階層組織の限界
「ティール組織」に似ているもので「ホラクラシ―組織」があります。
そのホラクラシ―組織についての記事が9月11日の日経新聞にありました。
一般的に言うと会社組織は階層型でトップダウンのタイプが多いです。
それに対しホラクラシ―組織では上司、部下は無く、
命令も階層もないのです。指示を受けずに自分で考えて動く
自律型スタイルとも言えます。
全員で情報共有することが前提なので、比較的小さな組織に
適していると考えられています。
会社法で必要な取締役やCEO、CFOはいるようですが、
それ以外の肩書は一切ないそうです。
だから出世や昇進という概念もない。
おもしろいですね。階層型に慣れている私たちの世代からすると、
これで本当に組織運営できるのか?とつい考えてしまいます。
専門家によると今までのようなトップダウンの階層型組織は
決まったことをきちんと遂行するためにはいいそうです。
でもノベーションは生まれにくい。
確かにそうですよね。上司に対して、
「こうやってみるのはどうでしょう?」とは
なかなか言いにくい空気だと思います。
人口オーナス時代に求められること
今は私たちが初めて経験する人口が減っていく時代です。
これまでの成功は参考にはなりません。
今までにない発想が必要なのです。
そういう時代背景からもイノベーションが求められています。
いきなりホラクラシ―組織のように極端にしなくても、
少しずつ階層を取り払っていって、自由に意見を言えるような
環境づくりが必要だな~と考える今日この頃です。