しばらくコミュニケーションをテーマにした
内容が続きましたので、今日は久しぶりに
人事関連の話題に戻ります。
最近「転勤制度」を見直す事例を
ちらほら見かけるようになりました。
「転勤制度」は「終身雇用」と密接につながっています。
会社は「終身雇用」で生活の安定を提供する代わりに、
社員は「滅私奉公」で仕える。
それが暗黙のルールでした。
ですから社員は会社の都合で
どこでも転勤する可能性がありました。
転勤によって人材を適材適所に配置することができるし、
違う環境で働くことで人材育成にもつながる、
そんなメリットもあります。
「転勤したい?」
それでも最近は会社の都合でどこに転勤になるか分からない、
という働き方は、特に若い人にとっては受け入れがたいようです。
メガバンクに就職したけど一年で辞めてしまった人がいます。
入社した時は転勤があることはわかっていたけど、
いざそうなると辞令一枚で行ったこともない地域に
転勤することが嫌になってしまった、そんな理由です。
今年の春に産業能率大学が実施した調査があります。
「一度も転勤せずに同じ場所で働き続けたい」
そう回答した新入社員が過去最高の36.4%だったそうです。
別の調査で、転勤の経験がある人を対象にした調査でも、
「できれば転勤したくない」と回答した人が40%。
「家族に与える負担が大きい」が86%もいました。
仕事をする本人も大変ですが、
配偶者も慣れない地域で大変でしょう。
ましてや配偶者が仕事をしていれば、
仕事を辞めて帯同することになるかもしれません。
それは配偶者のキャリア形成にも影響があるでしょう。
子供も転校することになれば新たな環境で
お友達をつくることは大変と感じるかもしれません。
転勤制度を廃止
そういった中で外資系保険会社のAIG損保が
本人が望まない転勤制度を廃止しました。
そしてその後、新卒の応募数が10倍増えたそうです。
転勤制度変更と新卒応募数の増加に因果関係があるかどうかは
定かではありません。
でも10倍という数字は何かしらのインパクトがあったと
想像できます。
AIG損保は全国に拠点があります。
本人が望まない転勤を廃止して成り立つものか?
疑問に思いました。
まずエリアを限定して試験的に導入して実施可能なことを
検証した上で制度化したようです。
一見無理、と思えることでも、考えればなんとかなるものですね。
道はひらける
「為せば成る」
私の好きな言葉でもあります。
「どうせだめだよ」と思うか、
「何か方法があるはずだ」と考えるか。
同じ状況に置かれても考え方の違いで結果は大きく変わります。
特に正解がないビジネスの環境ではこの違いが
大きく出るのではないでしょうか。
せっかくなら良い結果を導きだせる考え方にしたいですね。