今年の4月に残業時間の上限規制が始まってから半年が経過しました。何か変化はあるでしょうか?
データから見る
厚生労働省の「毎月勤労統計」によると、所定外労働時間は2019年8月まで14カ月連続で減っています。
統計上では残業は減っているようですが、人の流れはどうでしょう。
NTT傘下の会社が携帯電話の位置データをもとに、地域の人口を一時間単位で推計したものがあります。
そうすると東京駅前の千代田区大手町近辺では、午前11時台の人口を100とすると、午後7時台は55.4。同調査の2017年の結果では56.8でした
他にも都庁やIT企業が多い西新宿では48.6から46.1に減少。
逆に繁華街は新宿区歌舞伎町で見ると、2017年は181.5から184.2に増えています。
空いた時間の使い道
他にも変化があります。
夜のカフェ利用。昼はカフェ、夜はアルコールも提供するチェーン店では午後6時以降の客数は1%増えたが、アルコールではなくカフェ利用が増えている。
仕事を持ち帰っている可能性がありますね・・・。
私自身、夜電車で帰宅する時に変化を感じています。
以前は終電近くになると混んでいましたが、今はそんなに混みません。むしろ早く帰ると混んでます。18時台だとギュウギュウですね。以前は18時台はスカスカでしたけど。
残業が減ると、残業代も減ってしまいます。
減った分をカバーするために昨今の副業解禁も相まって、副業を始める人もいます。
知識やノウハウを教える講師のためのセミナーポータルサイト「ストアカ」では、講師登録者が前年比36%増。
クラウドソーシングに登録する人も前年日35.8%増。
皆さん、減った残業代を補てんするためにいろいろ考えてますね。
空いた時間を自己啓発に使う人もいます。
大手ビジネススクールではMBAの入学者数が前年度比9.3%増。終身雇用の崩壊もあり、一生学ばなければと言う危機感もあるようです。
これだけいろいろな分野で動きが出てきているので、一定の効果は出ているようですね。
ただそのしわ寄せが管理職に行っているとすれば、それはまた別の問題で心配です。
それぞれにとってベストなワークライフバランスを実現できる社会にしていきたいですね。