男性国家公務員の育休取得を原則とする方針が先日報道されました。ネットニュースでも出ていたのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。
少し前は「小泉進次郎議員が育休を取るのかどうか」というのも話題になっていましたね。その後大臣に任命されたので、実際に取得できるのかどうか微妙な感じになってきています。
男性の育休に対する企業の対応
改めて今どんな状況なのか調べてみると、男性の育休に対して必ずしも積極的ではない企業も多いようです。
- 申請をしたら「なぜ必要なのか」を幹部10人の前で説明を求められた
- 承認してもらえなかった
- 希望する期間より短い期間しか休めなかった
などいろいろ出てきました。
いろいろな考えはあると思いますが、そもそも育児を女性だけに頼るのではなく本来父親も参加すべきだと私は考えます。むしろこれまでの父親不在の育児が異常ではないのか、とさえ思います。
それに男性にとっても育児を経験することでプラスになることは多いはずです。今までは気づかなかったようなことも意識するようになるでしょう。そういう気づきはビジネスや人間関係において必ず役に立ちます。
新しい制度への期待
今回の報道では、原則として1か月以上の育児休業の取得を促進するとしています。
民間企業でもそうですが、ただでさえ男性の育休は少ないのに、取得した7割が1か月以下という短い期間です。
全く取らないよりは大きな前進だと思いますが、せっかくなら最低でも1か月は取ってほしいですね。
それだけの期間があれば、育児に関わることは大体経験できるし、一日の流れも覚えられます。お母さんも「ワンオペ育児」のプレッシャーから解放されるでしょう。
しかも今回の方針では、課長補佐以上の人事評価に反映することも検討されています。そうすればいざ制度が出来上っても「使いづらい」、「絵に描いた餅」になることはありません。
自分の人事評価に反映されると思えば、みんな部下に取得促進をすることでしょう。
今まで施策が出来ても号令ばかりでなかなか促進されないものが多かったですが、今回はなかなか骨太なものになりそうな予感です。
国家公務員が対象ですから、この方針が浸透して取得する人たちが増えた時には、その体験が今後行政に活かされることも期待したいですね。
いろいろな思惑がからむ男性の育休
実はこの方針には恐らくこんなホンネもあると思います。
昨今は民間の旺盛な採用意欲もあり、就活生は民間企業志向を強めています。
景気が悪い時は公務員は人気業種ですが、現在のような人手不足では民間に流れてしまいます。そんなこともあり公務員志望は3年連続で減少。
それを挽回したい、という思いもゼロではないと思います。
一方、実際に男性が育休を取得した配偶者の話しを聞くと「もろ手を挙げて賛成」とはならないケースもあります。
- せっかく育休を取ったのにフラフラ出かけてばかりいる
- まるで夫の「リフレッシュ休暇」みたい
そんな意見もあります。
なかなか長期休暇を取る機会がないので男性の気持ちも分かりますが、ここは本来の「育児」のためにしっかり頑張ってほしいですね。
まあそれでもこれは小さな一歩、男性の育児参加を促すこの方針は私も賛成です。実績を積み上げれば、それは採用にも良いアピールになります。
今のところ2020年度の実施を目指すということなので、今後の詳細を期待して待ちましょう。